拘縮予防の必要性

膝が極端に曲がり、手が組めず、顎が上がって口が開いたままのお姿で臨終を迎えることは、人としての尊厳を守る観点から容認できるものではありません。関節の拘縮をご本人が望んでいないことは明らかな上、家族や介護にあたる人の心にも大きな苦痛を与えます。拘縮は日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼし、尊厳や生き甲斐を保った生活を難しくすることから、早い段階での意識的な対応が求められます。拘縮が重篤になると自分でからだを動かすことができなくなり、筋力が低下します。また、臥位では骨への重力負担が減少するため骨委縮も進行します。筋委縮が起こると筋繊維自体が細くなるため、全身的に痩せた状態となり、骨の突出が目立つようになります。骨格筋や皮下組織は外界に対するクッションの役割を担っていることから、こうしたるい痩の進行は外傷が生じやすい状態になることを意味します。